2016年5月3日火曜日

科研費,基盤Cに採択されました

科研費,基盤研究(C)に,
「レーザーパルス形状制御CO2レーザーによる歯・歯槽骨・骨の修復・再生の研究」
が採択されました.
山梨大学医学部付属病院歯科口腔外科医員の河阪氏との共同研究であり,研究期間は2016年度から2018年度までとなっております.

歯を支えている歯槽骨は,歯の萌出とともに形成され歯の消失とともに消失します.歯周病などによる歯槽骨の欠乏は抜歯の原因となります.また,抜歯後のインプラント(人工歯根)治療の可否は,歯槽骨の骨量が重要となっています.骨量不足の場合,現在では,骨欠損箇所への人工骨補填材料の投与や骨移植が行われおり,患者への負担が大きくなっております.そこで,近年,レーザー照射による骨の再生治療が注目され,2012年にインプラント治療の一環として,CO2レーザーによる骨の再生が報告されました.
T. Naka and S. Yokose, "Application of Laser Induced Bone Therapy by Carbon Dioxide Laser Irradiation in Implant Therapy", International Journal of Dentistry, 2012, 409496 (2012).

昨年,我々のグループは,我々が開発したCO2レーザー,軸方向放電励起方式による短パルスCO2レーザーをマウスの鼻骨に照射し,先行研究と同様な骨の再生を観測しました.
A. Kosaka, K. Ueki, K. Uno, A. Moroi, and K. Yoshizawa, "Development of CO2 Laser Device for Bone Regeneration in Cranial Bone of Hamster", The 22nd edition of the International Conference on Oral and Maxillofacial Surgery, ICOMS 2015, 365.
先行研究ではCW(連続波)のCO2レーザーが照射されましたが,この研究では短パルスのCO2レーザーが照射されました.

我々のCO2レーザーの特徴は,レーザーパルス形状が制御できるところにあります.パルス幅100nsのテールフリー短パルスや尖頭パルス幅100nsとエネルギーが制御可能なパルステールからなるテール付き短パルス,パルス幅10μsから100μsの長パルスが生成可能です.

そこで,本研究では,上述のようなレーザーパルス波形や総照射強度,照射対象(動物の種類,照射部位)に依存する歯・歯槽骨・骨の修復・再生の特性を調査します.

難しい研究ですが,医学部の先生方と協力し,本研究室の学生にも手伝って頂き,進めて行きます.

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