2015年7月12日日曜日

レーザーに関する研究紹介2

我々の研究室では,新しい気体レーザーの開発とその応用分野の研究を行っています.

気体レーザーは,多くの発振媒質(波長),多様な放電励起方法があります.

我々が目指す気体レーザーは,誰でも・どこでも・いつでもすぐに動作可能な低コストで高性能なレーザーです.

「誰でも」
専門家でなくても作れる・動かせるレーザーを目指しています.本研究室の気体レーザーは全て手作りです.レーザー管も電源も手作りです.本研究室にある気体レーザーのほとんどは,本研究室の学生に作ってもらいました.本研究室で学べば,誰でも気体レーザーを作ることができるようになります.
実験室
「どこでも」
小型でポータブルのレーザー装置を目指しています,我々の目標は,市販のHe-Neレーザーのような装置から,遠赤外域から真空紫外域のレーザーを出力することです.
He-Neレーザー
「いつでもすぐに」
メンテナンスフリーでウォームアップフリーで,スイッチを入れればすぐに動作するレーザーを目指しています.

「低コスト」
我々の気体レーザーは装置構成が非常に簡単で部品点数が少ないため,コストを低くすることが期待できます.大学の実験室で作成した装置は1台あたり30万円程度です.

「高性能な」
気体レーザーの特徴である高出力エネルギーを活かしつつ,気体レーザーの苦手な高ビーム品質や高繰り返し動作を目指しています.また,基本構成が同じレーザー装置によるCO2レーザーやエキシマレーザーの発振を目指しています.

レーザーはあくまで道具(ドリルやノコギリのような工具)ですので,産業・医療で使用するためには,低コストで小型で,誰でも簡単に使用できるものが望ましいと思います.

気体レーザーをよくご存知の方は,我々の目指す気体レーザーは気体レーザーの常識から逸脱しており不思議に思われるかもしれません.我々は,上記のような新しい気体レーザーを実現するために,「軸方向放電励起方式」という方式を用いた気体レーザーについて研究を行っています.「軸方向放電励起方式」については,後日説明します.
軸方向放電励起N2レーザー,レーザー管の長さ28 cm
発振中
レーザービーム

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